七つ道具とオレのうでと。 ウエストにズシリと重さが加わる。右、左に微妙に動かし、ちょうどいい頃合で止める。「ほな、やろか」、先輩が立ち上がる。それが合図。両腕でグッとおさえ、気合を入れ直す。後ろから見ているとブライドタッチで道具を器用に抜き取っているようにみえる。慣れというより、もう、からだの一部になっているから、できる。配線を含めた電気工事には、柔軟さも、頑強さもかかせない。安全には、じいさんのようなかたくなさで対応するのが一番だし、配線そのものには、つねにやわらかな頭で創造的に対応していくことが一番だ。「あらよっ」と、最後の配線をむすんだ。だれがやってもいっしょじゃない。にぎりしめたドライバーをウエストに直す。今日はこれでおしまい。出来栄えはもうすぐ、暗くなってからわかる。(写真説明)

【オレたちの仕事】電気工事と言えば、ビルやマンションの配線工事をイメージされる人も多いでしょう。たしかに電気工事は私たちの生活を支えるための身近な工事の一つです。しかし、空間を演出する道具として照明を用いるケースもあり、この「光の演出」もまた電気工事士に委ねられる仕事なのです。ファーストの仕事は、主にこの「光の演出」だと言えます。商業施設、ブティック、飲食店、また大型の見本市、野外のコンサート会場まで多岐にわたり活躍しています。